子どもにやさしい
リゾートホテル
ホテルグリーンプラザ東条湖


インタビュー&ライティング

内橋麻衣子(取材日:2022年9月)
 

 

 
 

https://www.hgp.co.jp/tojoko/
 
 
 
共感される研修で、
社員の顔つきが変わった!
 
成長につながる場の提供が、
職場を伸ばす


東条湖の湖畔、「東条湖おもちゃ王国」の目の前にたたずむ、ホテルグリーンプラザ東条湖。赤ちゃんをはじめ小さなお子さまにやさしい空間やサービスにあふれるリゾートホテル。「子どもが生まれて初めて出かける家族旅行」「子どもの誕生日をお祝いする旅」など、お客様の節目に寄り添い共に喜べる温かな空間が人気を呼んでいる。
 
 
 
誠実な人柄に惹かれ、
社員研修を依頼


東条湖周辺の店舗で力を合わせ、地域の商業活動を強化しよう。10年以上前、そんな声をきっかけに、東条湖周辺店舗ネットワーク「アクアネット」の活動が始まりました。月に一度、ホテルグリーンプラザ東条湖に集合して情報交換をしていたのですが、その中の一人が、ホテル近くの施設で広報事業に関わられていた今村明浩さんでした。
毎回、活動の先頭に立って情報提供やイベントの企画運営をしてくださり、職種も年齢も全く異なる個性的な人たちの集まりを、誠実な人柄で上手にまとめてくださっていました。
活動中に、今村さんの本来の仕事は「研修・セミナー」だと知り、相談したのが始まりです。当時の弊社は、新入社員向けには本社が主導する3年間の教育カリキュラムがあったのですが、4年目以降の中堅社員向けの教育制度が不足していました。
ホテル運営のカギを握っているのは、中堅社員や中途入社社員、アルバイトからの昇格社員たち。彼らの成長が、会社の成長につながります。現場の中心として業務に取り組みながら、新入社員の指導も行う中で、悩みや葛藤が生まれる時期でもあり、教育制度の空白を埋める体制が欲しいと思っていました。
そこで今村さんに、中堅社員たちが抱える課題に対してセミナーを行ってもらえないかと声をかけました。
 
 


 
 
 
心理学とコミュニケーションを駆使した
参加型研修


今村さんに依頼したのは、入社4年目から7年目くらいまでの中堅社員たちに、現場の中心として働く上での心構えについての研修でした。
今村さんから提案されたのは、「ストレスのセルフケア・対人コミュニケーション」というテーマで、ワークを取り入れながら仕事に必要な気配りについて学ぶもの。「正解や正論」ではなく「最善と最良」を探す思考を学び、様々な価値観との上手な付き合い方や、物事を前に進めるための思考の癖付けについて考える内容です。
今村さん自身が企業で店舗運営に携わられた経験や、他企業での店長教育を通して実感された現場の事例など、同じ立場の人が共感できることをたくさんお話しいただきました。
また、心理学に基づいた洞察力や観察力を磨くためのトレーニングや、効果的な気配りを職場に導入する方法をグループで考えるワーク、さらに自己を振り返るワークショップを中心にストレスについて知ることや、誰かと息を合わせたり、意識をすることで気付く周囲の生活音へ、五感を働かせるワークショップも行っていただきました。
社員たちにとっては共感できることも多く、気づきと学びが多い時間だったと思います。
 
 
 
成長につながる手ごたえを感じ、
顔つきが変わった!
 


研修を受けたからといって、その瞬間から人が変わるわけではないと思います。それでも研修の後、社員たちの顔つきが変わったことに気がつきました。
「研修、どうだった?」と先輩社員に訊かれ、「おもしろかったです」「次も参加したいと思います」とイキイキと報告している様子や、「学んだことを自分自身の向上心に変え、自分なりに取り組んでいきたい」と話してくれた感想など、学びの場を用意して本当に良かったと思わせてくれました。
研修とは、プロジェクターが映し出す資料を見ながら、学校の授業のように教えてもらうものというイメージだったのが、今村さん自身の体験談を聞き、自分事に落とし込めたことが新鮮だったようです。自分たち自身の体験と似たケースへの具体的な対応方法を学べたことも、成長につながる手ごたえを感じられた要因だと思います。
さらに、研修の内容はもちろん、開き方の工夫もプラスに働きました。ホテルはお客様をお迎えする業務ですので、外へ出向いて仕事をする機会も、自社スタッフ以外の人と交流する場もあまりありません。そこで、他の施設と合同で開催しようと、普段は関わることの少ない遊園地やゴルフ場の部署の社員も同席。コミュニケーションを図るために研修終了後には会食を開き、交流の機会も設けるなど、非日常の場を用意したのです。
そんな研修への参加そのものが新鮮な時間になったことで、その後の現場の活気につながったり、通常業務もスムーズに流れるようになったりするなど、相乗効果も十分にあったと思っています。しかも、この研修に参加する社員は途中離職せず、職場に長く在籍しているケースが多いこともうれしい効果です。
研修の成果は、長い目で見て初めてメリットを感じられるもの。内容や方法、場所を変え、常に新しさを保ちながら、学び場の提供をし続けることが大切だと感じています。
 
 
 


 
共感し、
心を開き、
学びを自分のものにできる場づくり
 


社員たちに共感される研修。それが、今村さんの魅力だと思っています。
今村さんは、現場での経験が豊富です。「皆さんもこういうことがありますよね」と語りかけられる話は、先生ではなく似た立場の「店長」の話、理論ではなく実体験を踏まえた「現場」の話として聴けるため、自分たちが現場で抱えている悩みとの共感が生まれやすいのだと思います。
しかも、今村さんは口調がソフトなうえ、主観性と客観性の使い分けが抜群に上手なので、誰もがすぐに心を開くことができます。話に共感できる、共感できれば心を開くことができる、心を開けば吸収することができる。成長につながる循環が、生まれやすい研修なんです。
人は、変わろうと思えば何歳になっても変われるはず。必要なのは、変わるためのきっかけになる学びや気づきの場を与えてあげること。そして、その提供を継続することだと思います。
若い社員たちを見ていると、「自分が成長する機会をもらえる職場で働きたい」「成長できない職場にいる意味がない」という人たちが増えたと感じます。社員を定着させたい、現状を打開したいという想いがあるなら、今こそ「変わるための場の提供」が必要です。
 
 
 
 
少数精鋭のスタッフを育て、
新たなホテルの在り方を目指す
 


弊社は「東条湖おもちゃ王国」という遊園地が目の前にある立地を活かし、「子どもにやさしいホテル」というコンセプトを大切にしています。例えば、保護者の方々にお子さまの成長を感じていただける機会の提供です。
最近フロントの隣に「こどもポスト」をご用意しました。チェックアウトの際、お部屋のキーをお子さまに返しに来ていただこうというものです。ちょっとした企画ですが、お子さまにとっても、様子を見守られている保護者の方々にとっても、一人でできた喜びを実感していただける“一大イベント”です。
バイキングでは料理を上手にお皿に取れた、普段は残してしまうおかずを食べられた、スタッフと会話ができたなど、決して特別なことではありませんが、「子どもが、こんなこともできるようになった」と、お子さまの成長を体感していただけるホテル、その成長を一緒に喜べるホテルでありたいと思っています。
こうした企画も、ホテルスタッフが考えます。フロント業務をしながらイベントの企画運営に携わったり、バックヤードで予約をお受けするだけでなく、フロントに立ってチェックイン業務も行ったり、少数精鋭の人材が求められる時代になっています。一人のスタッフがオールラウンダーとして、マルチに動けなくてはいけないのです。
一方、見方を変えれば、いろいろな経験ができる仕事だと言えます。フロントでチェックインを担当したご家族とレストランでも会えるとなれば、お客様に顔を覚えていただく機会が増えます。親近感が芽生えることで「来年もあのスタッフに会いに行こう」と、ファンになってくださるかもしれません。
そのためには、スタッフの成長が一番のカギ。今村さんにサポートしていただきながら、ホテル業の新しい在り方を目指したいと思っています。
 
 
 今村さんってこんな人!
 


引き込み上手な人です。
「北風と太陽」に例えるなら、間違いなく「太陽」! 
口調、テンポ、まとめ方、話の運び方などで「今村ワールド」に引き込まれ、いつの間にか心を開き、なんとなく自分で考え、気づいたらやっていた……と行動につなげてくれる人です。
 


 
 

インタビュー&ライティング
内橋麻衣子(取材日:2022年9月)